女性に多い膀胱炎 | 膀胱炎の原因と再発防止策

膀胱炎の再発を防ぐには
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女性に多い膀胱炎

教えて膀胱炎

前述したように、女性は身体の構造上、急性膀胱炎(以下、膀胱炎)になるリスクが高いので、大人だけでなく、女の子も膀胱炎になりやすいことがわかります。
女の子には、どんなことに気を付けてあげればよいのでしょうか?

1水分をしっかり与えて、トイレに行かせましょう。
排尿をすることによって、尿道内に侵入している細菌は一緒に洗い流せます。
おしっこの間隔が長い子は侵入した細菌が膀胱に達する可能性が高くなるので、トイレが遠いお子さんは細菌が膀胱に侵入する機会を増やしてしまっています。
水分補給を促して、適度にトイレに行かせましょう。

2ウォシュレットを使用する際は注意
女性は男性と違って、尿道口と肛門の距離が近いので、ウォシュレットを使用する際、尿道口から細菌が入り込むことが起こりやすいです。
またあまりに強い水圧では常在菌を尿道内に押し込んでしまうことも考えられるので、ほどほどの水圧にしておきましょう。
加えて使い過ぎもあまりよくありません。
デリケートゾーンの皮膚はとても繊細です。
1日に何度もウォシュレットを使うと、逆に保護機能が低下してしまいますので、必要以上には使わないようにしましょう。

3トイレットペーパーでの拭き方は前から後ろへ
女性は肛門と尿道口が近いので、必ず尿道口のある前方から後方へ拭くように教えましょう。
後ろから前に拭くと、膀胱炎の原因の80%を占める大腸菌をわざわざ尿道口に近づけてしまっていることになります。
赤ちゃんのおむつ替えの時も同じです。
背中の方に向けて拭いてあげてください。

これらのことを普段から気を付けていれば、膀胱炎の発症や再発予防にもなるので、子供が辛い思いをしないように、小さいうちから習慣づけておきましょう。

膀胱炎のなかでも特殊な膀胱炎である、「間質性膀胱炎」も女性に多い病気です。
間質性膀胱炎は細菌感染が原因ではありません。
近年増えてきている病気で、代表的な症状は、頻尿、尿意切迫感、膀胱の痛み、があります。
通常の膀胱炎でも頻尿の症状はありますが、間質性膀胱炎は強い尿意切迫感を伴うのが特徴です。
頻尿の程度も強いです。
膀胱の痛みも通常とは違い、膀胱に尿が溜まると強くなり、排尿すると軽減します。

本来の膀胱壁は尿が溜まるにつれ、良く伸び、広がります。
普段の厚さは1.5?ほどなのですが、伸びると3mmくらいまで薄くなります。
膀胱壁が伸びることにより、個人差はありますが、成人で250〜600ml、平均して500mlほどの尿が溜められます。
しかし、間質性膀胱炎の人の膀胱は委縮して伸びが悪くなっています。
そのため、尿が溜まることで引き伸ばされると痛みを感じます。
進行してしまうと、膀胱に溜められる尿量が50ml程度しかなくなることもあります。
腎臓で作られる尿量は、平均して1時間60ml程度なので、ひどくなると1時間分の尿を溜めることさえ難しくなってしまいます。

間質性膀胱炎の原因はいまだ不明ですが、病原体から体を守る免疫のしくみが、誤って自分の組織を攻撃して起こる、自己免疫疾患の一種ではないかといわれています。
治療方法は、膀胱の収縮を抑える抗コリン薬や鎮痛薬の投与や、麻酔をして膀胱に生理食塩水を注入して膀胱壁を拡げる水圧拡張術等があります。
水圧拡張術は、入院設備がある泌尿器科で行なわれます。